『超鬼速PDCA』要約|三日坊主は根性のせいじゃない。つまずきの5割は「計画」にある

『超鬼速PDCA』要約 アイキャッチ

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「今年こそ英語を」と手帳に書いたのに、気づけば止まっている
仕事でPDCAを回せと言われるけれど、正直よく分からない
頑張っているつもりなのに、去年の自分から前に進んだ気がしない

こんにちは、多本読造です。

今回解説するのは、冨田和成さんの『超鬼速PDCA』(クロスメディア・パブリッシング)です。20万部を超えた前作『鬼速PDCA』に、「AI」「継続」「マネジメント」の3つを足したパワーアップ版です。

著者は野村證券のトップ営業から起業し、会社を5年で上場させた経営者です。

この本のメッセージを一言でいうと、こうなります。
大事なのは、PDCAを「回しているか」ではなく「どれだけ深く、速く、大きくも小さくも回せるか」である。

こんな人におすすめ

  • 英語・資格・副業などの目標が、いつも三日坊主で終わる
  • 「PDCAを回せ」と言われるが、具体的に何をすればいいか分からない
  • チームの会議や振り返りが、形だけになっている
この記事でわかること
  • PDCAがうまく回らない原因の「半分」はどこにあるのか
  • 結果ではなく「行動」を数えるとは、どういうことか
  • 1万人に1人しかできないことと、それを仕組みで乗り越える方法
目次

動画でも解説しています

多本読造じいと会社員くんが、約20分のアニメで本書を読み解いています。目次から気になるところだけ見ることもできます。

1. 先に結論:PDCAのつまずきは、半分が「計画」で決まる

PDCAがうまくいかないと、多くの人は「振り返りが甘かった」と考えます。ところが本書は、PDCAのうまくいかなさの5割は、検証ではなく計画にあると言います。

計画がぼんやりしていると、振り返ろうにも「何と比べればいいのか」が分かりません。

もう一つの結論は、結果ではなく「行動」を数えること。そして三つ目の結論は、この記事の後半で紹介します。ヒントは「1万人のうち、たった1人しかできないこと」です。

2. PDCAの7つの勘違い

本書は、PDCAが浸透しないのは7つの誤解があるからだと言います。

よくある勘違い本書の考え方
① 簡単だと思っている深く回すほど難しくなり、終わりがない
② 管理職のための道具だと思っている新人にも、日常生活にも効く
③ 失敗は検証が甘いせいだと思っている半分は計画の精度で決まる
④ 悪い所を直す道具だと思っているうまくいったことを伸ばすのも仕事
⑤ 一度直したら終わりだと思っている上位のPDCAは回し続ける
⑥ 大きな問題のときだけ回すと思っている小さなPDCAを同時にたくさん回すほど速く伸びる
⑦ 必ず計画から始めると思っている急ぎのときは実行から回してよい

3. 著者の新人時代:受付突破のPDCA

著者が新人のころに立てた目標は、「3年目までの全国の営業の中で、1年目でトップになる」こと。目標を分解していくと、いちばんの関所は飛び込み営業での「受付突破」でした。受付で話せるのは1分、下手をすれば5秒か10秒です。

著者は「笑顔でゆっくり話す」などの仮説を1日単位で試し、外れたら「なぜ」「どうやって」と問い直しました。上司をまねた身ぶり手ぶりは「恐ろしく効果がなかった」そうです。

それでも1年目はほぼ受付のPDCAだけを回して目標を達成し、毎晩の振り返りも欠かさなかったといいます。

4. ゴールに日付と数字を(KGI)

計画の一歩目はゴールの設定です。本書ではこれをKGIと呼び、コツを3つ挙げています。

  • 期日を決める:半日で北海道に着きたいなら飛行機、1週間あるなら自転車もあり。期日で道が変わります
  • 数字にする:「英語ができるようになりたい」ではなく「3か月後にTOEIC800点」
  • ほどよく具体的にする:「痩せたい」は「体脂肪率20%未満」に

期間は1〜3か月先がちょうどいいとされています。遠すぎると、今日やることが見えなくなるからです。

5. 課題を3つに絞り、KPIを決める

ゴールと現状の差(ギャップ)を埋める課題を全部書き出したら、「効き目の大きさ」「かかる時間」「気軽さ」の3つの物差しで3つに絞ります。気軽なものから試して効かなければ、重い課題にも向き合えるという考え方です。

そのうえで課題ごとに測る数字(KPI)を決めます。英語なら「単語アプリの正解率を60%から80%へ」。その中から最重要KPIを1つ選び、目につく所に貼っておきます。

6. 因数分解:5段目まで掘る

課題が大きすぎて手が止まるときは「因数分解」です。本書によると、分けずに思いつく視点は4〜5個ですが、20に分ければ20の視点が持てます。そして深掘りは5段目まで。たいていの人は3段目で止まってしまうそうです。

迷ったら「流れ(プロセス)」で、小さなテーマは「質×量」で切るのがコツです。

じいのひと言
町工場でも、機械が動かんときに全体をにらんでも答えは出ん。部品に分けて、一つずつ見るんじゃ。目標も同じでの。

7. 結果より行動を数える(KDI)

計画倒れの正体は、本書によれば「やることがタスクになっていない」こと。解決案を具体的な行動(DO)に、DOを期日入りのTODOにまで落とし込みます。

ここで効いてくるのが、行動の数字=KDIです。本書には、アポが取れる率は10%と十分優秀なのに、週100件必要な声かけが50件しかできていなかった、という例が出てきます。直すべきは話し方ではなく、行動の量だったわけです。

8. 時間をつくる:捨てる・入れかえる・縮める

行動を増やすための時間は「捨てる→入れかえる→縮める」の順でつくります。1週間の使い道を棚卸しし、急ぎだが重要でない用事を大事な用事と入れかえ、最後にルーチンを縮めます。

中断されると集中が戻るまで平均23分15秒かかるという研究も紹介されています。まずは通知オフからです。

9. できなかった理由を探す(検証)

見る順番はゴール、KPI、行動の数字。行動の数字ほどこまめに見ます。

KPIが届かない原因は「行動していない」「量が足りない」「思わぬ壁」「仮説の筋違い」の4つ。海外の会社から返事が来ないと思ったら旧正月だった、という例のように、思い込みを外すのがコツです。

10. できた理由を伸ばす(伸長案)

本書は、うまくいったときこそ検証せよと言います。偶然おいしくできたカレーも、書き留めなければ二度と作れません。

本書の目安は、悪い所を直す「改善案」2つにつき、良い所を伸ばす「伸長案」を1つ。「できたことを1.5倍にするには?」という問いは、日々の振り返りにそのまま使えます。

11. Aは「改善」ではなく「調整」

PDCAのAは一般に「Action(改善)」とされますが、本書はあえて「ADJUST(調整)」と呼びます。直すだけでなく、伸ばす、やめる、乗り換えるといった、進む向きそのものの調整まで含むからです。

ただし、すぐに方法を変える「目移り」は禁物。試す期間と数を先に決めて回します。

12. チームで回す

著者の会社では、議題を事前に共有して先にコメントを入れておくことで、1時間の会議を15分にしているそうです。3か月ごとの「捨てる会議」で会議を30%減らし、金曜の週報でPDCAを1周させています。

13. AIと壁打ち

著者は毎朝、対話型のAIと壁打ちをしていて、PDCAを回す時間が3分の1から4分の1になったといいます。特に効くのは計画で、「週5件を10件にするにはどんな課題がある?」と聞き、「ほかには?」と重ねていく使い方が紹介されています。

ただし最終的に決めるのは人間で、会社の秘密や個人情報をむやみに入れないよう本書は注意しています。

14. 三つ目の結論:1万人に1人しかできないこと

考える人が1万人いたら、動き出すのは100人、続けられるのはたった1人。本書は、この「続ける」ことこそが一番難しいと言います。これが三つ目の結論です。

続く人は、意志が強いのではありません。続けられる状況を自分で作っているのです。本書によると、人が続けられるのは次の4つのときだけです。

  • 目的がはっきりしている
  • 成果が見えている
  • ハードルが低い
  • やり方で迷わない

宣言する、チェック表で自己採点する、小さく切ってまず始める。人の意志は弱いけれど知恵で補える、というのが本書のメッセージです。

15. 今日からできる実践

今夜、手帳を書き直す

ゴールを期日と数字の入った1行に書き直し、最重要KPIを1つ決め、明日のTODOを時間まで入れて3つカレンダーへ。寝る前に、今日やった行動の数を1行だけ書きます。

日曜の朝の振り返りを予定に入れる

日曜の朝に1時間、くり返しの予定で振り返りを入れます。見るのは「できなかった理由」「できた理由」「来週変えること」の3つです。

今日からできる1つのこと
手帳かスマホのメモに、ゴールを「◯月◯日までに、◯◯を△△にする」の1行で書いてみてください。日付と数字が入るだけで、明日やることが見えてきます。

読み方の注意

本書のやり方は、著者自身が「我流」と書いているとおり、学術書ではなく実践から生まれたものです。「1万人に1人」や「5割は計画」は研究の数字ではなく、著者の実感やよく言われる話として紹介されています。

著者の働き方をそのまま真似すると負担が大きすぎるかもしれません。会社の事例も著者の会社が中心なので、自分に合う所から小さく試してください。お金や健康に関わる大きな決断は、専門家に相談しましょう。

まとめ

『超鬼速PDCA』は、「PDCA」という聞き慣れた言葉を、毎日前に進むための具体的な手順に分解してくれる一冊です。

  • つまずきの半分は計画。ゴールに日付と数字を入れる
  • 結果ではなく、行動を数える
  • 続けられる仕組みを、自分で作る

三日坊主で止まった目標も、今夜の1行から回し直してみませんか。

※この記事は本の内容の紹介です。本書の数字や事例は著者の経験・見解によるもので、すべての人や職場に当てはまるとは限りません。

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この記事を書いた人

20〜30代の社会人に向けて、仕事・人間関係・メンタル・時間術などの悩みに効く本を解説しています。日本未翻訳の海外の話題書もいち早く紹介。読んで終わりにせず、「今日からできること」まで具体的にお届けします。

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